生物資源情報学分野
1)大規模データを用いた資源生物科学・生態学の探究に関する研究
生物資源の維持管理を含めた食糧問題、世界的な生態系の動態などを検討するため、地理情報、衛星情報、DNAデータベースなどの大規模データを用いて、資源生物科学・生物学・生態学に関する基礎的・応用的なさまざまな命題についてアプローチしています。
2)環境変動と生物多様性・生物資源の応答に関する研究
気候変動をはじめとした環境変動により、資源生物を含めた多くの生物においてその動態、生息域、生物季節などに変化がみられます。今後の更なる環境変動により、生物がどのような応答を示すかを予測する研究をおこなっています。
3)資源動物・絶滅危惧種の行動・生態に関する研究
資源動物・絶滅危惧種の適切な管理と保全のためには、その行動・生態を知ることが不可欠です。バイオテレメトリー・バイオロギング技術、音響観測技術および遺伝子分析・生化学分析、形態計測、統計解析手法を用いて、絶滅が危惧されるウミガメ類やメコンオオナマズなどの保全に向けた研究をおこなっています。


4)生物多様性・生物資源・動物行動情報の調査・分析手法に関する研究
資源動物の動態や資源量の把握に資する手法として、水中や土壌など環境中に存在するDNAを採取し、超並列シークエンサなどで生物群集を解析する環境DNA手法を開発しています。また、資源動物の維持管理ならびに絶滅危惧種の保全に有用な、動物の行動測定に関する技術開発に取り組んでいます。


生物環境情報学分野
1)自然林再生度を評価するための指標・基準の開発の探究に関する研究
自然林を再生させることは、持続的に森林を管理するための必須条件の1つです。このための手法として、木々の相対密度が森林再生の度合いを測る効果的な指標と成り得ることが知られています。しかし、木々の空間分布といった情報も評価しなければならい貴重な森林資源を管理するためには、本手法では不十分です。自然再生した異なる木々の立地条件や立地指向も自然林再生の成功に大きく影響します。私たちは、そのような重要な情報を査定、保存し、統計的に分析するために、費用効果の高い手法論の開発をおこなっています。


2)森林攪乱の影響や範囲の評価
日本の本州でのブナ科の木々の大量死を引き起こす立ち枯れ病といった森林攪乱の影響や範囲を評価するために、フィールド調査とリモートセンシングデータを組み込んだ新しい統計手法を開発しています。異なる尺度(例えば、木立や個々の木の分布)で森林や木々の空間的特徴を調査することにより、究極的には森林の空間モデリングにおいて用いられる調査手法や手順を改良することを目指しています。これにより、より正確な森林の成長モデルを作ることができ、立ち枯れ病や他の進行性の攪乱の拡大をより良く予測することができます。
3)生態系生態学 & 群集生態学
生物とそれをとりまく環境によって構成されている生態系が、形成され、維持されていく機構について考えています。特に、人間の活動を含む外的な要因によって環境が変化した時、生態系がどのように変化していくのか、また、その変化が生態系の外部にどのように影響を及ぼすのかについて評価を試みています。植物の侵入がおこりつつある砂丘、人間による管理が行われなくなってきた竹林、環境変動の影響を強く受けるとされる北方林など、陸上のさまざまな生態系を対象とした調査を行っています。